椿原頌子詩集『夏をつなぐ空のことば』刊行しました!!

最新刊!!椿原頌子詩集『夏をつなぐ空のことば』

とりが飛ぶ、夢と過ぎゆく大切なこの時空に
魚がはねる、現実に揺れるこの世の海に
そうして長く生きてきた人の詩の言葉が刻まれる
しなやかでさびしく、きびしくてやさしい
戦をこえ、暮らしをこえ、いまむかしの大空に
国際派女性詩人の心が深いところから響く

わたしはいま
愚かで  無垢で  処女で  マルコポーロで
少年で  老女で
空いちめんを  ただよっている
破片のように はかない 物のようにかたい
この時間を生きつづける

(詩「空をただよう」より)

<椿原 頌子(つばきはら ようこ)>
1934年 4 月 ブラジル・サンパウロ生まれ、横浜在住。
外交官の父(有山逸郎)、作家の母(大石千代子)のもと、フィリピン・ダヴァオ、ブラジル・リオデジャネイロと暮らす中で、第2次世界大戦勃発。 日米交換船としてのスウェーデン船グリップスホルム号で日本へ向かう。 途中、モザンビーク・ロレンソマルケス(現マプト)にて、イタリア船コン テヴェルデ号に乗り換え、シンガポールや香港の厳しい戦時光景を目撃する。
1942年 8 月20日 横浜港に帰国。
1953年~1961年 大蔵省に勤務。所得倍増論の下村治博士の秘書。
1980年頃より、母の影響で詩作を始め、高田敏子氏主宰「野火」に投稿参加。その後、長谷川龍生氏、金子秀夫氏、福田美鈴氏などのもとで詩作を続ける。
既刊詩集
『踊り子』(1985年 花神社)
『鳥がいて人間がいて』(1990年 花神社)
『昼の月』(1990年 福田正夫詩の会)
『林檎の芯に』(2000年 横浜詩人会第5次ネプチューンシリーズ)
『聖夢』(2008年 横浜詩人会第6次ネプチューンシリーズ)
所属 日本詩人クラブ 日本現代詩人会 横浜詩人会

定価 2,200円(税込)